クマの王国
イタリアのクマ写真がないので💧・・・代わりにスイスの首都ベルンの「クマ公園」写真を。 Bern, Switzerland ) 

ディーノ・ブッツァーティ原作の「シチリアを征服したクマ王国の物語」がまさかのアニメ化・・・そして今日、初日に観てきました。

初めて映画化情報を知った時は、「いやいやいや~~(笑)、どうせすぐに無期延期するのでは・・・?」と、あまり期待していませんでした。
「え・・映画化?  しかもなんで今頃!?」と驚いたのは、アゴタ・クリストフの「悪童日記」以来かも。
万が一完成しても、日本で公開されることはまずないだろう・・・・と思っていたので、ソフトが出たら買うつもりでした。

私とブッツァーティとの出会いは2007年。新刊「神を見た犬」をたまたま購入した時でした。以来、おそらく国内で発行済の全作品だけでなく、限定販売された戯曲モノ、まだ英語にすら翻訳されずネットでのみ公開されている小作品までチェックするほどの、コアなブッツァーティ・ファンになってしまいました。

ベルンのクマ公園のクマ。居住空間がちょっとオシャレ・・・。LeicaM9 )

なのでこのアニメは絶対観に行かねば!・・・と、前売り券買って(特典のクリア・ファイルもゲット💧)、座席も事前予約して( まさかの予約一番乗り💦)、観て参りました!

設定にオリジナルのキャラクターが出てくる、と聞いていたので、その点が少し心配だったのですが・・・。
もともとこの「クマ王国」原作は「語り部」が物語を語っていく・・・という構成。なので「語り部」キャラは絶対必要だろうなあと思っていたのですが、それをこのオリジナルキャラ達がうまく演じてくれておりまして。「なるほど、その手があったか!」とちょっと感心。上手いなあ〜。

このアニメをきっかけにブッツァーティに興味を持たれた方がいらっしゃったらとても嬉しいです。U田のお気に入り作品セレクションを挙げておきますので、参考になさってください。

まずは長編「タタール人の砂漠」。これは絶対に外せないですよね。

で、短編ですが。私はブッツァーティの魅力は短編にこそあると思っています。現在入手しやすいもので是非読んで頂きたいのは・・・
神を見た犬(「七階」の恐ろしさは、入院した時に是非思い出して欲しい!)」
怪物(恐ろしい余韻を残す「もったいぶった男」、ブリューゲルのバベルの塔を彷彿させる「エッフェル塔」、取り返しのつかない過去の物語「五人の兄弟」など)」
魔法にかかった男」   ・・・あたりでしょうか。

あと、絶版なので入手は少し難しいかもしれませんが、「短編集 石の幻影」が素晴らしいのです。表題作の「石の幻影」では狂気の愛に走った科学者の悲劇がいかにもブッツァーティ的で気に入っているのですが、「謙虚な司祭」も好きなのです。もう何度読み返したことか。

「イタリアのカフカ」と呼ばれることが多いブッツァーティですが。カフカほど不条理ではなく、またボルヘスほど難解でもなく。もっと世俗的で、もっと悲劇的で、そしてもっと寓意的。
今回の映画化がきっかけとなって、未訳の小作品がどんどん翻訳されて発表されたらいいなあ。私、絶対買いますから! 伊語の皆さん、宜しくお願いします!(・・・他力本願💧)