鏡の中◆(不思議なtouchが加えられた小説なので、ちょっと不思議なtouchの入った写真を。大阪の東洋陶磁美術館にて。LeicaM9)

ナツメグの味」(ジョン・コリア著)、読了。「みどりの想い」を読んで以来、強烈な印象が残っていたジョン・コリア。古書店で見つけて、即、購入してしまいました。「悪魔と詩人と女たち」という帯の煽り文句も秀逸。

「待宵草」(←百貨店の中の異世界)「猛禽」(←「オーメン」にも通じるもの有)「特別配達」(←現代版ピグマリオン)・・・が印象的でした。特に「待宵草」。この世界観は、私が一時夢中になっていたM氏の某小説も影響を受けてるのでは?現代の馴染みのある場所に、禍々しいものが住んでるという。
そして最後に収録された「船から落ちた男」。3年間の絶望の後、新たな冒険が始まる予感で晴れやかな気持ちに。これをラストに持ってくるとは。
◇同じく東洋陶磁美術館にて。◇

コリア作品には現代のホラーや恐怖小説とは違ってモンスターがガッツリ出てきたり残酷描写といった直接的な表現はありませんが・・・どうやったらそんな捻じ曲がった(=twisted)発想が出てくるのかな?どの短編にも、ちょっとした不気味で奇妙な「一味」が加えられています。
これこそまさにThe touch of Nutmegなのかも。